【居室掃除】訪問介護における生活援助の手順を解説♪

生活援助
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居室の掃除は個人によって価値観が違うので、意外と難しいところがあります。

訪問介護サービスにおいて、できることとできないことの線引きを明確にしておかなければ、利用者、ヘルパー、事業所間でのトラブルの元になります。

ヘルパーさんって〇〇してくれるの?してくれないの?」

窓拭いてくれないのん?

〇〇さんはしてくれたけど、〇〇さんはしてくれない!」

立花さんって誰
立花さんって誰

立花さんしてくれたやないのん

ヘルパーの声

〇〇を頼まれたけど、そんなことまでしてもいいの」

「断りづらいときはどうすればいいの?」

ヘルパー
ヘルパー

どこからどこまでが自分の仕事なんだろう

事業所(管理者側)の声

「利用者さんに頼まれたからと言って、こっそり何でも請け負わないで」

「支援の内容を勝手に変えないで」

ヘルパーはその利用者さんの人生に一生責任が持てるわけではありません。利用者さんのためを思うなら、自分以外の誰がヘルパーとして入っても、その利用者さんが変わらず生活していけるように、またどこの事業所が入っても同じ支援を受けていただけるように、環境づくりを行っていく責務があります。

寂しいことではありますが、自分でなければいけないという状況は、なるべく避けなければなりません

まずはできることとできないことのルールを明確に把握しておきましょう。事業所の担当者間で共有し、断りづらいことは一度持ち帰って、サービス担当責任者や管理者から返答することが望ましいです。

ただしできる範囲での居宅の掃除について、手順は利用者さんの掃除のルールを尊重しましょう。ヘルパーさん個々の価値観については一旦心の引き出しにしまっておきます。

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居宅掃除でできないこと

  • 窓拭き
  • 庭の手入れ
  • ベランダの掃除
  • 引っ越し等に関わる大掃除
  • 家具や大きな荷物の移動
  • 換気扇の掃除
  • エアコンの掃除
  • 利用者が使用していない部屋の掃除

すみません、制度外サービスになります

どうしてできないの?」と驚かれることも多いのですが、大掃除(日常生活に支障をきたさないと思われる掃除)にあたるものは、制度外サービスとされています。

制度に基づく生活援助は「利用者本人の自立を支援する」ことが目的であるため、利用者さんがして欲しいことをやる、という直接的なサービス(自費サービス)とは少し考え方が異なります。

主治医の意見書から始まり、各自治体による認定調査が行われたうえで認定区分を受け、それをもとに介護支援専門員(ケアマネジャー)、障がい福祉であれば支援相談員が計画書(ケアプラン)を作成します。訪問介護事業所はケアマネジャー及び相談員から依頼を受けて、ケアプランを元に、さらに詳細な訪問介護計画書を作成し、いよいよヘルパーによる支援が行われます。

ヘルパーの支援にたどり着くまでに、多くのプロセスを踏んでいることがわかるよね

そのため、ヘルパーが勝手に掃除をしてくれる、というイメージは誤りです。

利用者の生活が成り立つにはどんな支援が必要なのか、段階を経て具体的な内容が決まり、指示を受けた支援のみ、ヘルパーは行うことができます。

ただし、これまた事業所から指示を受けた支援の内容が絶対とは限りません

いざ実際に現場に出てみると、計画書の内容と現場の状況がズレているのではないかと思うことがあります。

また必要な支援、必要でない支援は、利用者さんの経過により移り変わっていくものです。

ムムム…

もしケアプランに位置づけられていないサービスを提供する必要が出てきた場合は、速やかにサービス提供責任者や管理者等の上司に報告し、相談してください。利用者の様子を実際に観察することもヘルパーの大切な役割です。

また居室の掃除について、自立支援の観点から、可能な限り、共に行うことが大前提としてあります。どこまで自分でできるのかを観察し、利用者のやる気を引き出すような声かけもヘルパーの重要な仕事となります。

もし体調が良ければ、一緒にやっていきましょう

制度外サービスについて、介護保険サービス、障がい福祉サービスで賄えない作業を求められた場合には、自費サービスを提供している事業所に依頼するか、専門業者に依頼することを検討していただいてください。

いずれによ、どうしていいかわからない時には、担当のケアマネージャーや、相談員、自治体の担当者に相談してみましょう。

居宅掃除でできること

じゃあできることって何なの!?って話です。

一体なにしてくれはるのん?

  • ごみの片づけ
  • 掃除機がけ
  • フローリングワイパー、モップやぞうきんがけ
  • 玄関の掃除(※内側のみ。また同居家族がいる場合は共用部分とみなされるため不可です)

です。これらを踏まえて居室の掃除を行っていきましょう。

実践

掃除機がけ

どこのコンセントを利用し、どの範囲を掃除機がけするのか、確認します。

掃除機がけは、ヘッドをガンガン壁や物に当てないように丁寧に行いましょう。

ヘッドを素早く上下させるよりも、ゆっくり5、6秒かけて一往復する方が集塵力がアップします。

フローリングや畳は、溝や網の目に沿って掃除機がけを行います。

素早くヘッドを前後に動かすと、埃が吸引しづらく、撒き散らすだけになるので、ゆっくりと行います。

軽いもの(ゴミ箱や椅子)程度は、一度どけて掃除がけし、元の場所に戻しましょう。

掃除機の中に溜まったゴミをそのつど廃棄するタイプのものは、埃の立たない場所を選んで廃棄しましょう。

フローリングワイパー、雑巾がけ

掃除機がけの仕上げ、あるいは替わりに、フローリングワイパー(ペーパーモップとも言います)や雑巾がけなどを行います。

若い人の中には「え、雑巾がけ?」と言う人もいるかと思いますが、まだまだ高齢者の中には床掃除=雑巾がけの方もおられます。

その場合はバケツに水を入れて、掃除用洗剤を入れるなどして、利用者さんの指示に従って雑巾がけを行いましょう。

ただし、最近ではフローリングワイパー(ペーパーモップ)を使う方が主流になりつつあります。ウェットシートでフローリングの汚れをこすり落としたり、ドライシートで使い分けし、使い捨てできるので便利です。

雑巾がけの場合も、軽いもの(ゴミ箱や椅子)程度のものであれば、横に避けて雑巾がけを行い、終わったら元の場所に戻しましょう。

玄関の掃除

同居家族がいれば共用スペースになるため、掃除NG部分ですが、独居であれば掃除可です。

ほうきで掃き、ちりとりで埃を取る。完了!

こびりついた汚れが気になるようであれば、ウエットシートなどで拭き取りましょう。

まとめ

居室の掃除では、ホームヘルパーができることとできないことがあることを覚えておきましょう。

しかし、できる範囲の中で、どのような手段、順序で行うかは、利用者さんルールに従って行いましょう。

利用者さんが意図していることを受け止め、実行する姿を見せることは、他の支援での信頼にも繋がります。

利用者さんを理解する、という姿勢が大切です。

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